デザイン上達法

Before & After比較法

どうもkeloです。
いかがお過ごしでしょうか。

さて今回は「Before & After比較法」というスキルアップ法について
書かせてもらいます。

この方法は、デザインのお仕事を始めて間もない方に特に効果があるスキルアップ方法で、理にかなっている割にあんまり知られていないので是非読者の方たちにご紹介したいと思いました。そしてこの「Before & After比較法」、とても簡単で、準備だけなら5分、じっくり実践しても10分もかからない方法なのです。

なんだか良いことづくめのようですが一点だけ、お伝えしておきたいのは、完全に一人だけではこの方法は出来ません。どなたか「自分の作品を見てくれてアドバイスをしてくれる方」を必要とします。見てくれる人は、基本的には自分よりデザインスキルが高い人をイメージしてますが、例えば、見る目がきちんとあって的確にアドバイスできるならその人自身がデザイナーでなくとも構いません。極端な話、その方が自分の後輩で明らかに自分よりスキルが下であっても客観的で的確なアドバイスをしてくれるならオッケーです。

では詳しくご説明していきましょう。

「Before & After比較法」は、名前の通り「1番始めにあなたがひとりで作ったデザイン」と「他人にアドバイスを受けてブラッシュアップされた最終デザイン」を比べるというだけの方法です。

簡単すぎて拍子抜けされたかもしれませんがこんなに簡単なのに効果抜群でとてもコスパが良い?スキルアップ法と言えます。この上達法を実践するために気をつける事は、「始めに自分だけで作ったデザイン」データを、上書きせずに残しておくこと、くらいでしょうか?
※現在のデザイン作業、全てPC上で進行するので上書きしたら全て消えてしまいますからね。

僕が(デザイン作る時に)やってる方法は、ある程度作った段階で(「別名保存」をしてしまい)別ファイルとして時系列にデータを残していく方法です。

具体的にご説明すると、、、例えばpsdデータなら、

0190624-01.psd
0190624-02.psd
0190624-03.psd
0190624-04.psd…

という感じで区切りの良いところで残していきます。コツとしては「ああ結構デザイン変わったかも」というタイミングで「01→02に変更して、別名保存」するだけです。

時系列順に自分のデザインを振り返れるのと、バックアップも残せるのでなんだかんだで
もう10年くらい続けてます。最近は無意識でやってて気がついたらPSD10個残ってる感じです。
※僕の場合は一つのデザインを作るときに時系列順に10個くらいデータが残ります。

「Before & After比較法」という方法では
1番始めに作ったデザイン(0190624-01.psd)と
1番最後に作ったデザイン(0190624-11.psd)を見比べます。
そしてどこが変わったか?じっくりと確認するんです。

この方法の良い部分は最初のデザインと最後にオッケーをもらったデザインを
比べることで「何を改善したのか?」「何を改善したからデザインのクオリティが上がり、
オッケーとなったのか?」一目瞭然にわかってしまうところです。

もちろん、周りの人達からアドバイス受けたとしても、作ったのは「あなた」なんで、どの部分を直したからデザインが良くなったか、本当はあなた自身が誰よりも理解しているはずです。

しかし、大抵の人は目の前の作業に没頭してて、作り終わったあとで振り返ってみても、どこを改善したから良くなったか?結構わからなくなってしまうものなんですね。これは非常にもったいないことですし、せっかくもらったアドバイスも活かされません。

実際、アドバイスした側からしたら、一度アドバイスした部分、例えば「マージンが狭すぎる」「それぞれの要素に強弱・メリハリがなくインパクトに欠けるデザインとなる」
という指摘ポイントが、いつまでたっても直らない!となるとどうしても「スキルアップに時間がかかるかもしれない」と思ったりするものですし、大体その予測は外れることがないんですね。

せめて「改善しようと努力した」結果、失敗したのであれば一歩も二歩も前進しているので良いのですが、アドバイスしたポイントを本人がスルーしている場合は、どうしても上達は遅れます。大切なのは「同じ間違いを二度は繰り返さない!」という意志とそれを可能にする仕組みなのです。

「Before & After比較法」を使ってこのような改善箇所を自分で確認し「次は同じ間違いはしない」と決め、実践するだけであなたの実力は目に見えて変わってきます。騙されたと思って是非試して見て頂ければと思います。

この方法はどんなデザイナーにも有効で、未だに自分も時々やったりしますが、特に未経験に近いデザイナーであればある程、効果が上がったりします。

何故かと言えば、経験がない分、彼らの「伸びしろ」も大きいわけで「1番始めのデザイン」と「最後のデザイン」との間に、修正箇所も明快な形で沢山あり、彼らがそれらの課題をひとつひとつ修正することが出来れば、一回の「Before & After比較法」でのステップアップの度合いも半端なく大きくなるわけです。

そして次のデザインで同じ間違いをしないだけでも、作品の質はぐっとあがりますから、
周りから見たら「短期間のスキルアップ」としか見えないわけです。ですから経験の少ないデザイナーには「時間的コスパが高い」という意味で、特におススメしたい方法なんですね。

見比べる具体的な方法ですが、

1番効果的なのはプリントアウトして見比べる方法かもしれません。大きめのクリアファイルを用意して、左に「Before 作品」右に「After作品」をプリントして載せます。見開き上に左右に「Before 作品」と「After作品」が並ぶ事になります。
そしてその二つを見比べてみて
「Before 作品」は「After作品(最終形)」に比べて何が足りないのか?
「Before 作品」のどこを直したから「After作品(最終形)」としてオッケーが出たのか?探ってみる・思い出してみるのです。

しばらく見ているうちに、「Before 作品」のクオリティの低さに恥ずかしさを感じ始めたら、もうその時点で、あなたのスキルアップは始まっています。

スキルアップが起きる時にどうしても必要な事って、『自分のデザインに何が足りないのか?何を修正すればいいのか?』本人が腹の底から理解する事です。

誰かに「色味をもっと鮮やかにしなよ!」と言われ、自分で全然納得していないのに、
言われたように使っている色味を全て鮮やかにしたとしても、ただ、指示を受けてそれをカタチにしている状態からはデザイナーのスキルアップは望めるはずもないのです。当然ですが、デザイナーであれば、自分ひとりでいちから作ることができないとまずいです。逆に、本人が自分のデザインの修正点を、本当に理解しているなら、誰も指図してなくても勝手に自分で直すものですし、そうしないと納得できないようになっていくものです。

僕はデザインチームのリーダーだった頃、未経験だったデザイナーの方々をどうすれば短期間で経験者レベルに引き上げるか考え抜いてこの「Before & After比較法」という方法を試してました。

何人もの人達に試してもらい、何ヶ月か彼らにデザインをお願いする中でどんな人にも一定の効果がある事が分かりました。元々自分が使っていたスキルアップ法だったんで
それなりに革新めいたものはありましたが、僕自身、その結果にかなり驚いたものでした。やはり自分が自分の欠点に気がつくって事が、デザインのスキル・クオリティをあげる上で、凄い大きな事であり「Before & After比較法」という方法はそれを促すように出来ていると思います。

ですから、デザインが出来る環境にいて、とりあえずダメ出しだけでもしてくれる人が周りにいるならば、是非この「Before & After比較法」を試してみてください。

必ずやあなたのスキルアップのスピードは倍くらいに早くなるはずです。

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